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《文字起こし》【第463回】Vtuber戸定梨香 PR動画削除問題 #山田太郎のさんちゃんねる

配信日:2021年9月15日

出演者:

  • 山田太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter
  • 小山紘一 山田太郎さんの政策担当秘書・弁護士 Twitter
  • 萌生めぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

以下 動画の46:27頃から特集部分のみ文字起こし

山田さん:

まず概要を小山さんに伝えて欲しいと思います、簡単に。

小山さん:

はい、ご当地VTuber戸定梨香さんという方がいまして、その方を千葉県警察などが、交通安全のPRに起用しました。
そうしたところ全国フェミニスト議員連盟より、抗議ならびに公開質問状というのが届いて、そのあと千葉県警がアップロードしていたPR動画を削除しちゃったということで、非常に大きな問題となっております。

こちら、抗議ならびに公開質問状というところで色々書いてあるんですけども、

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『戸定梨香というVTuber(アニメキャラクター)は、セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています。』

とありまして、ここが非常に物議を醸しているところでもありますし、ここは山田さんのツイートにもありましたけど、そんなことないでしょとという声があります。
もちろんそうだという声もありますけども、私としてもそんなことないんじゃないかなと思っていますが、その次が問題のあるところで、

『国連女性差別撤廃委員会の勧告(2016年)は、日本政府に対して「固定観念と有害な慣行」として「メディアが、性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること」に懸念を表明しています。公共機関である警察が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならないことです。』

こんなことを言われております。

山田さん:

まずこれに関してはもう何年も前になりますが、質問主意書でもって政府の閣議決定を取っておいて良かったねという話なんですね。どういうことかって言うと、例のブキッキオさん問題そのものなんです。

ブキッキオさんが国連の女子差別撤廃委員会からの報告ということで、簡単に言うと国際的な人権規範によれば児童ポルノ的な描写は云々とか、マンガやアニメについても云々とか、こういうことを述べているわけです。

これに関しては私も絡んだんですけど、日本政府としてはこれに反論をしています。

日本政府としては基本的に、何れの文章は国際規範基準を構成するのか明らかでないと、つまりブキッキオさんが報告者として報告したんであって、国連の正式なものだというふうには認識していませんと、児童の権利委員会はこの点に言及した公式見解を公表したことはないでしょと、これ日が本政府の言い分です。

それは児童売春・買春の児童ポルノに関する選択議定書等に関する内容で、非実在の児童のポルノについては規定していません、ということなんですね。
それからサイバー犯罪条約に関しては、実は非実在に関しても述べられているんですが、日本はそこに規定を適用しないということで留保しているということです。

これは、すごく言えば私は1つ、ホームランを打ったと思うんですけど、これをちゃんとやってるんです。
国際約束上の児童ポルノの定義に関する質問主意書でもって、非実在に関するもの、または児童ポルノを定義している国際条約で、日本が入っているものは2つしかないよねっていうことをまず確認しています。

なんでこの条約についてこだわるかというと、憲法98条で国際条約を遵守しなければならないとあるから、条約は締結・批准しちゃうと法律を上回る、だから日本が批准している条約は、児童ポルノ等に関するものについては2つしかないよねっていうことをまず確定させました。

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2つとは児童の売春・買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書と、サイバー犯罪に関する条約の2つであるということが確認されています。

ただし選択議定書と言われるものは、実在しない児童について描写するものは存在するのかということについて聞いているんですが、それはないと言ってるわけです。
かつサイバー条約に関してはそれに類する記述がされているが、それについては日本は留保して認めていないから、批准の対象になっていません。

故に日本はこの2つの条約に縛られない、故にブキッキオさんが言っている国連に対して報告した内容は国連の正式文書とは捉えられないし、この条約の記述から見ても、言いがかりでしかないと、ちゃんと日本政府は答弁している。

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その経緯があるにも関らず、たぶん知らないんだと思いますが、かつて国連ではこういうことを言っていたからということで、この議員の方々は抗議をされているということなのね簡単にいうと、非常に筋違いです。

ただ逆もありきで怖かったのは、これもし通っていたら、ぶっちゃけ自負させていただきますが、これしっかりピン留めしてないで、条約がもし通ってたとしたら、この人たちが言ってることはもっともなんです。

つまり守らなければいけない法律以上の事項になっていた、わかります?この恐ろしさ。
もしここでピン留めをしておかなかったら、この議員連盟の人たちが松戸の警察署に言っている前提としての内容は正のものだから、当然警察は守らなければいけない、ということだったんですよ。

だから表現の自由を守るところの私の地味な活動ではあるけれども、何をミリミリやってきたかというと、こういうところを全部潰してある。

その内容は全部この「表現の自由」の守り方ですね、野党時代にやってるんですよ。
野党だから戦えないとか与党だから戦えるということもなくて、僕は野党時代、2012年から2016年の間に野党にいましたけど、その間に頑張った内容の国連からのふたつの「外圧」(第3章)にどういう経緯だったかをすべて書かせてもらってます。

これを見ていただくと、これがあったからこそ、松戸のこの国連女子差別撤廃委員会の勧告(2016年)は、日本政府に対して「固定概念と有害な慣行」として「メディアが、性的対象としてみなすことを…云々」ということについて、懸念を表明しているのは、確かにそう、事実だけど、これに従わなければならないということもないし、日本としては言いがかりであるということなんですよ。

でも裏を返すと、これ認められたらその通りだってことで、法律を上回る形で条約が批准されちゃっているから、守らないといけなかったということなんですよね。
ということで何が言いたいかというと、すごく難しいが今回のこのケースは、議員が公的な警察に対してものを申したケースなんですよ。

最も問題になるのは、公的な行政が民間に対して法律等でもって表現の自由を規制するというのが最も許されない措置である。なので、法律だったり条例で縛っていくのはおかしいじゃないかっていうのは僕のメインの戦い方。

だけどこれは逆パターンで、議員が例えば行政に対してちゃんと法律を守ってないじゃないかとか、おかしなことをやっていると言うこと自身は、まず内容はともかく正当な行為なんですよ。
だからもしこれが法律で通ってるのに守ってなきゃおかしいじゃないか、削除するべきなんだということが、正当行為であるのに行政がやっていなければ申し入れるのは当然の文章になっていた。

どんなに気に入らないとしても、悔しいと言ったとしてもやっぱり民主主義ですから、法律なり条例で認められた内容が、行政がやってないじゃないかということを申し入れることは、内容はともかくなんら問題がないというか、やるべきなんですよ、議員として。

議員が警察に対して、行政に対してプレッシャーをかけるというのはおかしいんだっていう言い方は通らないですから、それを批判してもダメなんですよ。もちろん言ってることがめちゃくちゃであって、議員が公権力を背景にもって、行政に対して圧力かけたら別ですよ。

だけど公権力としてこの人たちは資格があったかどうかもわからない、というのは議員はその地域、または僕だったら国民の単なる代表でしかないんですよ残念ながら、そういう存在なの、定義としては。

その代表が例えば国民から言われて、こういう問題意識があるから行政に働き掛けてくれというのは、お金をもらったら受託収賄になっちゃうけど、そうでないんだったら正当な主張なんだよね、世の中を良くしていこうという。

そこは残念ながら踏み外すと、いわゆる立憲民主主義というか、そういったものを全部破壊してしまうということなので。言ってることが単純におかしいかっていうことを、ここで書いてある国連の女子差別撤廃委員会の勧告を書いたのはトリッキーでおかしいでしょとは言えるわけですよ。

それそのものっていうのは日本政府としてはおかしいって反論されている。
故にそれを持ち出して来て守らなきゃいけないとか、性的な対象としているんじゃないかと決めつけてるっていうのは、基本的に取り締まられるものではない。

それから根拠があるのかと、性犯罪誘発の懸念すら感じさせるとあるが、残念ながら感性の問題なので、僕はそんなことはないと思いますと。そしたら今度はこう批判されるんです、(Twitterで)性的対象だとか性犯罪誘発の懸念は感じませんと書いたら、感じないだけかよとか書かれて、おまえの感じを言ってどうするってそれはしょうがないです、定義があるわけじゃないから。

それを断定してしまったら何の根拠に基づいて言ってるのかってなるから、それは議員として逆プレッシャーをかけてることになっちゃう。

小山さん:

これに関してはもう何度か紹介しましたけど、第5次男女共同参画基本計画、2020年12月25日閣議決定されました。そこにこんな文章が修正前は入っていましたってので、

第5分野についてはインターネット上のメディアを含む、メディアにおける不適切な性・暴力表現を防止するため、というのを、まぁ不適切な性表現だと戸定梨香さんが言われてしまったら、この内閣府の閣議決定に基づいて国としてもなんかやれって話になったかもしれない。

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これは山田事務所で、インターネット上における違法な性・暴力表現の流通等を防止と(修正させたので)、今回の戸定梨香さんの件で違法なものは見当たりません、そういうことです。

もう1つ第10分野、修正前は新聞・テレビ・映画・ゲーム・インターネットメディア・広告等(中略)とともに、女性の人権を尊重した表現の推進と、戸定梨香さんの件が、これは女性の人権を推進しているとはとうてい言えないと言われたら、そこも問題視されたかもしれません。

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そちらについては、また、表現の自由を十分尊重しながら、性暴力表現など実在する女性の人権を侵害するような情報への対策と、実在する女性に対する人権侵害であれば対策は必要です、というふうに直しております。

その元になっている背景が、第5次男女共同参画基本計画の当初案の背景が、女子差別撤廃委員会の勧告です。
こちらは2016年3月7日に、日本の第7回及び第8回合同定期報告に関する最終見解で、固定観念と有害な慣行と、委員会は、特に以下について懸念する。

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(b)メディアが、性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること、
(c)固定観念が引き続き女性に対する性暴力の根本的原因であり、ポルノ、ビデオゲーム、漫画などのアニメが女性や女児に対する性暴力を助長していること、

と、だいぶ決めつけであります。
さらになんですが、締約国に以下を要請すると、

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(b)差別的な固定観念を増幅し、女性や女児に対する性暴力を助長するポルノ、ビデオゲーム、アニメの製造と流通を規制するため、既存の法的措置や監視プログラムを効果的に実施しなさいと、

こんなこと書いてるんですね。
その前に時系列で2015年10月26日、ブキッキオさんが日本にいろいろ調査に来て記者会見で報告しました。そこで物議を醸したのがここの、

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例えば例としては援助交際があります。これは女子学生の3割は現在“援交”をやっていると言われているわけでございますし云々かんぬんと、これは通訳のミスで3割は13%の誤りですと言われたんですけども、何を根拠に(言ってるのか)ということで、山田さんも抗議しましたし、外務省からも抗議を…

山田さん:

外務省もやりゃしなかったんだよ最初、こんなこと言われてるけどいいのかと、日本に行ったら援交しやすい国ですと、国際的に、しかも英語で流れたんだからね、3割って。

小山さん:

これは山田さんが発言出たあとすぐにレクなどをしていろいろ対応して、11月には外務省から国連に対するいろんな取り組み働きかけが行われて、一応撤回しますとなりました。
次の山田さんの対応がこちら。

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2016年1月18日の予算委員会で山田さんが質問をしています。
ブキッキオ氏の記者会見について、国連特別報告書による非常に多くの誤認発言があり、外務省は事実を国連に伝え、毅然と対応するべきだと。
もう時間がないので上の画像を見て頂きたいんですが、こんな感じで事実を確認し、政府に迫っています。

その1カ月後ぐらいに、先ほど紹介した質問主意書を提出してます2月29日、提出してすぐに回答が来るわけじゃないので、質問主意書を提出した後、3月4日の予算委員会で国連勧告に関する日本の対応を、岩城法務大臣に質問して「漫画やアニメは人権侵害に当たらない」という答弁をもらっています。

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更に質問主意書の回答が3月8日に来て、先ほどの…

山田さん:

これね、日付を追ってみるとわかってもらえると思うんですけど、ブキッキオさんの報告が行われたのは3月16日にこの声明が出てるんですよ。なんで3月8日までに質問主意書(の回答)をもらったかわかるよね?

それまでに閣議決定して政府としての方針を決めておいてもらう、ブキッキオさんが言ってることはでたらめだということを確定させたかった。だから急いだんですめちゃくちゃ、もしこれ逆になってたら大変なことになったかもしれないんだよね。

ということをやっているから、今のこういう松戸の問題があったとしても法的に縛られて、逆に条約としてそこが留保されてなかったり、確認できてなかったとしたら当然松戸の(件は)議員の人たちが言ってることがもっともであると、だって法律に基づいてやれてないじゃないかって主張することは、気に入らないかもしれないけど、残念ながら当然だということになっちゃうんですよね。


文字起こしは以上です
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今回の動画全体の概要はこちらにあります。

では、最後に抗議の署名活動を紹介して今回の記事を終了します、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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