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《文字起こし》【第420回】同人誌違法サイト事件!知財高裁判決、同人誌は守られたか⁉ #山田太郎のさんちゃんねる

配信日:2020年10月21日

出演者:

  • 山田太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter
  • 坂井崇俊 山田さんの秘書(2020年12月末迄) Twitter
  • 萌生めぐみ(めぐめぐ) アシスタント Twitter
時間ない方向け概要版は→こちら(⋈モナーダ情報局)
以下主に特集部分の文字起こし

山田さん:

今日は、特集でやろうと思っているんですが、同人誌違法サイト事件が知財高裁で確定判決になりました。非常に大きなニュースなんですが、なんでマスコミがほとんど取り上げないのか私は理解ができない。

例えばスクショ違法化とか、あれはものすごい取り上げて、各マスコミが大騒ぎをしました、それは萎縮につながるからなんですけど、でも今回の裁判の行方によっては極端ではありません、二次創作がほぼ不可能になる、逆の判決が出たらね。

そういう判決だったわけでして、すごく重要な、しかも二次創作の範囲が固まった、結論から言うと非常に二次創作の権利が認められて良かったんですけども、裁判の恐ろしさというものを非常にかいまみた瞬間でありました。

これだけの重要な表現の自由、特にコンテンツ表現の自由に関して、生死を分かつような極めて重要な判決についてなぜ伝えないのかは、何度も言いますが理解が出来ない。

坂井さん:

唯一ねとらぼさんぐらいですかね取り上げてくれたの。

山田さん:

メディアの方も結構最近この番組見ているようなので、何が大事かってプライオリティ(優先順位)はよく考えてほしいので、ある意味で違法ダウンロードとかリーチサイト問題よりも大きな内容だったと思っています。

山田さん:

先ほど話しましたが、残念ながらマスコミにはねとらぼさんくらいしか取り上げられなくて、ただすごく重要な判決内容になっているということで、詳しくお伝えしていきたいと思いますが、簡単にいうと何かというと、まずはモノを見てもらいましょう。

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ハイキューの木兎光太郎(ぼくとこうたろう)と、黒尾鉄朗(くろおてつろう)のBLです。
この二次創作(上の画像の左側)が、あるサイトに勝手に載せられたということで、その勝手に載せたサイトを相手取って(BLの作家さんが)訴えたということです。

もう一つ見てください。

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これはタイバニ、バーナビーと虎徹の二次創作、BLです。この二次創作をした作家さんが、また勝手にサイトに載せられたということで、著作権侵害だということで訴えた、まず簡単に言うとそういうことです。

次にこちらの資料見てもらいたいんですけど、

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結論から言うと一審、二審とありました。一審の判決を二審の知財高裁が支持して、最終的に東京地裁での判断をそのまま受け入れたということで、被告に対して219万2215円、ちょっと半端な、計算式があるんですけど、及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じたということで、確定判決になった、最高裁まで争わなかったということです。

ということで、何がポイントだったかというと、いくつか争われました、次の資料を、

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まず訴えた側、二次創作をした人なんですけど、勝手に私の(作品)を使われたと。

そして(訴えられた)サイト側の人はなんて言ったかというと、おいおい、そもそもその二次創作が違反じゃないのと、違反のもので著作権を主張するのはおかしい、というようなことで争われました。

どっちに判決が振れるか分からない、極めておっかない裁判だったんですが、結論から言うと(上画像の争点まる1)本件各漫画が原著作物の複製権を侵害するかというと、それについては否定ということで侵害しない、というか立証が不十分ということでその主張は認められませんでした。

それから(上画像の争点まる2)本件各漫画が原著作物の翻案権を侵害するか、翻案っていうのはコピーして真似ているということなんだけれども、ストーリー展開を変容させることは翻案には当たりませんということで、ようはストーリーを変えてるのでただコピーしたわけじゃないよねということで、勝手に載せたサイト側の負け。

(上画像の争点まる3)本件各漫画が原著作者の同一性保持権を侵害するかっていうことなんですけれども、(キャラクターの)容姿や服装など基本的設定に関わる部分に変更がない以上問題になりせんということで、つまり変えてない、ちゃんと原作を尊重してるじゃないかと。

それから(上画像の争点まる4)わいせつ図書になると、それも違反なんだから著作権問えないじゃないかったら、いやいやそんなわいせつ文書に当たるほどのものではございませんという裁判所の判断。

そしてここが今回の大きなポイント(上画像の争点まる5)違法な二次的著作物に法的保護を与えることが許されるかということなんですが、仮にこの二次創作が違法なものだったとしても、創作部分があるんだから、その部分については法的保護を与えるべきという判決です。

つまりこの瞬間何が起こったかというと、二次創作に著作権があるということが明確になったということで極めて画期的なんですね。

それから(上画像の争点まる6)違法な二次的著作物の著作権行使が許されるかということなんですけど、これも仮に違法だったとしても行使が許されるとうことで、これちょっと気を付けてください、原作者から訴えられる可能性はまだ残っています。

いろんな判断はあるものの、どういうふうにそれが侵害行為であれ、二次創作についても著作権は発生している、立派な創作物だということが認められたということで、これは法的に二次創作の存在が認められたという、きわめて画期的というか、素晴らしい判決だったと思っています。

次に改めてなんですけど意義とかを確認していきたいとおもいますが、

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これはここが大事、原著作者の許諾を受けていない同人誌であっても著作物として法的な保護を受けます。

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もう1つは主人公の名前が同一であることや、場面設定等が同一又は類似であることを認定しつつ、本件各漫画には複製権侵害も翻案権侵害も同一性保持権侵害も成立しないと判断した。ポイントは注意に書きましたが、表現を流用した場合はダメなんだけれども、名前や場面設定を流用してもそれはいいんですと。

例えばドラえもんとかのび太とか、そういうものを仮にBLとして流用したとしても、それ自身は著作権侵害に当たりません、場面等の設定についてもそうです。

坂井さん:

これ不思議ですよね、さっきの同一性保持権で名前や場面設定等を流用しないと同一性保持権侵害になっちゃう(笑)

めぐめぐ:

〇(伏字)にしてもダメってことですか?

山田さん:

わかんない、それはまた判決判断によるから、著作者が怒る程度かっていうことが、いろいろ議論されるわけです。

ということで画期的な判決であったということなんですが、いつも言うんですけど、何が言いたいかというと、結果論としては良かったが、もしこれ、反対の判決が出たらどうなっちゃったか、これは怖いよ。

この画期的な判決が出たので、僕が公約としていたパロディの合法化は、極端なことを言うと、今頑張らなくてもいい状態になりました、かなり(二次創作が)認められている。

ですが、これ裏を返すと裁判官の判断によって決まっちゃうわけで、反対の判決が出ると、もうその日から二次創作は全滅だったんですよ。

みんな、いやそんなことないだろうって言うんですが、これもし裁判で負けてたとしたら、ものすごい訴えられて、本当に二次創作は終わったかもしれなかった判決だったんです。

そういう意味でこれはすごいおっかない状態だったということで、だからよく裁判で戦う戦うてやるんですけど、それで勝てる見込みがあるんだったら良いけど、本来これは立法で戦っていかないと、すごい怖い、というふうに思いました。

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ちなみにもう一つ最後にわいせつ図画に関しても、これについてはわいせつに当たらないと、ただこれは正面から判断しているわけじゃないので、当たらないと言ってるんであって、どの程度なら良いっていう判断したわけではありません。

今、二次創作はこういう判決もあってギリギリセーフだったけど、もう一つやっぱりコミケとか、同人誌即売会が今後維持できるのかどうか、Withコロナ時代に、非常にきわめて厳しい状態だってのは間違がなくて、実物のいわゆる薄い本を含めて、どう販売し流通させていって、そういう文化の灯を絶やさないようにどうするかっていうのは、かなりに乗り出さないと、事実上つながらない。

これ全部デジタルにしちゃえばいいのかと。そうすると紙文化っていうのはなくなる可能性もあるということで、結構ちょくちょくこういった表現のベースみたいなところを脅かす、危ない状況があるということです。

そういう意味で急速にデジタルの時代が来た。私もそのデジタルの党内の責任者として進めていくんですが、一方でこういう同人とか二次創作、薄い本として、これまでやってきた世界をどういうふうに維持するのか、または残念ながら新しいものに変えていかなければいけないのか、そうとう議論をしっかりしていかないとまずいと思いますので、そのあたりも落ち着いたら特集組んで考えていこうかと思っています。

山田さん:

はい、どうでしたか?(今回の特集は)

めぐめぐ:

山田さんの話を聞くまで、全然この記事に対しての問題とか全然わかってなかったです。結果として守られて、これからも二次創作が描ける、そしていろいろと活動ができるということが本当によかったなと。

山田さん:

そうですよ、これは本当に起こった裁判だし、なんか静かにネットの向こう側で伝えられたどっかの国の話じゃなくて、結構怖いですよ。

めぐめぐ:

私もイラスト描いてますけど、いつもオリジナルを描いてるけど、息抜きにやっぱり好きなキャラクターとか描きたいなぁと思って描いてそれをツイッターで公開したら、それだけでダメってなっちゃうかもしれなかったということですよね。

さらにそれが売るってなったらもっと言われてしまうかもしれないし、絵描きって自分のオリジナルを作るっていうのも大切なんですけど、大きな企業の公式のキャラクターだったり、いろんなマンガから知識をもらって、自分のオリジナルに反映させるっていうところもすごく大事なんですよ。

だから本当にそれが、ここで止まらなくて良かったって思いました。

山田さん:

それとまぁメディア批判をしても仕方ないんですが、ことの重要性からした場合の権利とか、息の根を止めちゃうという意味では、前回のスクショ違法化よりも大きな問題だったと思います。

実際あれはスクリーンショットが違法になるんじゃなかったからね。誤解も多かったけれど、それが大丈夫になるように我々も、1年かけて著作権法の改善、海賊版に対する対応ということで、対処はしてきましたけども、はるかに判決一本でダメっていう解釈だった、それぐらいいわゆる二次創作はグレーゾーンだったということで、それが今回いわゆる白く、完全な真っ白じゃないですけど。

だからそういう権利だとか表現の自由って言った場合の重さ重みが、これだけ重要判決であるということを、どうしたら分かってもらえるんだろうね?我々のPRが足りない?

坂井さん:

あまり二次創作があるっていう事を知らない人たちも多いじゃないですか。

山田さん:

いやだってパクリパクリって言われるけど、ちょっと真似て描こうということが違法で、逮捕されて刑事罰ですからね、親告罪で罰金ですからね、個人でも刑事罰で前科つくんですよ。

別にメディアに悪気があったとは思わないけれども、何をニュースとして重要なのかっていうことを、判断する基準っていうのは、すごく重要なんじゃないかと感じます。

最後の10秒コメント:

今回の同人誌違法サイト事件、本当に結果が二次創作にとってプラスということで良かったと思います、本当にホッとしています。
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